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ファンタスティックMr.Fox

ファンタスティック Mr.Fox(2010年)

監督:ウェス・アンダーソン

 

ロアルド・ダール作「すばらしき父さん狐」をストップモーション・アニメ化。

とにかくむちゃくちゃかわいい!人形がかわいい。洋服がかわいい。動きが表情がかわいい。

声の出演もゴーカ、音楽もいい。で、お話がすごくいいです。

だいたい毛動物のパペットでストップモーション・アニメっていうだけでかわいいに決まってるのに、そのうえよくできた話で、しあわせな気持ちになれるの間違いなし。

 

Mr.Fox(もちろんキツネ!)はケッコン(デキ婚?)を機にトリ泥棒を辞め、しがない新聞記者に。美人妻とちょい難アリのひとりムスコと暮らしています。

中年になったMr.Foxは、人生の終わりを見据え、穴ぐら生活から抜け出して地上に夢のマイホーム(丘の上の木)を購入。いっぽう、妻に内緒でトリ泥棒も再開。こそこそトリ泥棒に出かける姿がかわいくてたまりません。とうぜん人間にばれて、キツネ一家以外の森の動物も巻き込み、人間対野生動物の一大抗争へと発展!父として夫として男として、何よりいっぴきの野生動物としてのMr.Foxの生き様を見よ!スリルとアクション、銃撃・カーチェイス・爆発ももちろんあり!いや、お洒落でキュートなどうぶつ娯楽映画ですよ。

 

息子のアッシュがちょうかわいい。ちっさくて目つき悪くて反抗的でトロいのに妙に自信持ってて、親からも「変わった子」と云われてます。でもお父さん大好きなんよね。

ある日、アッシュのいとこクリストファソンがうちにやってきます。これがまたアッシュと違って、毛がシルバー、目がブルーで、背(?)が高いイケメンキツネ。勉強もスポーツも万能で理知的で精神も成熟してて、ことごとくアッシュと正反対、とうぜんアッシュは面白くないわな。いうても、クリストファソンもメディテーションが趣味のちょっとヘンな子でかわいい、決してジョックなんかではない。まあいろいろあってアッシュもちゃんと成長します。父と息子の関係も深まります。というか、むしろ父が成長して息子に対する理解が深まるような気がする。

 

フォックス一家はじめ、森の動物たちは二足歩行でお洋服着て、いいカンジに擬人化されているのだけど、人間の農場にいる番犬と、フォックス家の男子チームが森で出会う狼(野生の象徴!だってイヌ科の王様やんね。)は服着てないし喋らないし、四つ足で登場します。いっぽう、人間に雇われてるネズミ(これまたむっちゃいいキャラ)は、昔の仲間でキツネたちと同じように擬人化されてる。動物たちにも多様な生き方があるんすなあ。これを人間の職業とか生き方の比喩とみると面白い。

 

家庭を持ってトリ泥棒からアシを洗ったものの、やっぱり「野生動物」としての本質を捨てられなかったMr.Fox。家族にもご近所さんにも迷惑かけまくりなんやけど、にくめないしかっこいいし最終的にはみんなのリーダー。家族を大切にすることと、自分の天職まっとうすることは矛盾しないんやな。ほんとファンタスティックです。それを支えるMrs.Foxもちょうイイ女です。昔は悪かったぽいのもすてき。父×息子関係、夫婦関係、アッシュの成長、ご近所づきあい(?)、と盛りだくさん要素あるけど、男子一生の仕事の話とも思えます。フリーターだと彼女できないと嘆いてた若いバンドマンに観てほしい(笑)。

 

あ、人間キャラもそれぞれ面白いです。あとMr.Foxが高田純次に見えてしょうがなかった・・。

とにかくハッピーになれる、などと言ってしまえる。最高です!